ここ数年、日本中で様々な災害が起こっています。
大雨にせよ、台風にせよ規模がだんだん大きくなり、『想定越え』『何十年に一度』『過去例を見ない』といったワードと共に報道されています。
『準備しなくては』
と思いながらも、なかなか準備できないものです。
また、準備すると言っても、何を実際に準備すればよいのか迷うところですよね。
必要なものは、個々の地域性や個人の環境により異なると思います。
今一度防災を考えてみましょう。
阪神・淡路大震災を身近に体験しました。
今でも皆さん記憶にあると思いますが、当時、わたしは大阪に住んでいました。
地方出身の身として大学生活を謳歌していたので、夜更かしを楽しみぐっすりと眠っていました。
すると体が揺れたんですよね。
初めは
『夢を見ているんだ、それにしても不快な夢だ』
と思っていたんです。(まったくもってご気楽でした)
あの地震は揺れている時間がとても長く、さすがに違和感を感じ目が覚めると、いろんな物が上から降ってきていました。
『これはやばい』
と思い布団をかぶっていたのですが、とまらないんです。
いつまでも揺れ、永遠に揺れているのかと思いました。
しばらくして揺れがおさまり、
『これはえらいことだ!』
とテレビをつけると、より恐怖を感じました。
高速は倒壊しているわ、ビルはドミノ状態、さらには燃える神戸。
大阪に行く前は、テレビなどでも
『関西に地震は来ない!』
と言われていたので、
『ついに東海地震がきた!もしかして日本中が崩壊したのか!?』
と真剣に思っていました。(大袈裟のようですが、それぐらい衝撃的でした。)
その後、親に大変だと思い連絡したら、
『何を朝から寝ぼけとるんや~』
と一言。
・・・な状態でしたが、すぐに折り返しの連絡。
『お前大丈夫か~』
と。
テレビでは大変な報道、親からは意味不明な返答で頭混乱でしたが、その後は情報を送ろうと連絡するにも電話は不通になってしまいました。
いかなる時も冷静さは必要だと実感しました。
もし、本当に危機だと最後の会話が上のようなもので終わってしまうかもしれません。
ちなみに電話が通じたのはこの後30分ぐらいで、その後は知り合いの安否確認もできなくなりました。
今はスマホがあるのでこの様なことはないと思います。
電話が終わった後、気弱な私ができなかったことがあります。
それは、外を見ることです。
冗談の様ですが、
『自分の部屋だけ大丈夫で、外はテレビの映像と同じになっていたらどうしよう』
と思ったら怖くて怖くて。
しかし、いつまでもそのままではいられません。
一人暮らしのアパート、米以外何も食べ物がありません。
電気、水道はありがたいことに動いていましたが、備蓄なんて何もありませんでした。
お昼も近づいており、お腹もすくし、備蓄もいるなと思い、外に出ることにしました。
ありがたいことに、外はテレビの映像とは違い、瓦が落ちている、壁に見たことのない亀裂が入っている、塀が少々壊れてる以外は普段見る光景でした。
それから、買い出しがてら自転車でまわっていると、いたるところでビルの一階だけがガラス割れていました。
学校などは一階全ての窓がわれていたようです。
当時の部屋は一階で、ベッドの横が壁一面のガラス戸でしたが、部屋の窓が割れなくてホッとしました。
話が長くなってしまいましたが、1995年(平成7年)1月17日にこの様な経験をしました。
この経験後、防災に関し、非常に心配性になりました。おすすめを紹介します。
もともと考えやすい方ではありますが、この経験から防災に関しての意識が強くなりました。
完璧に揃えるまでには至っていませんが、
などは、意識しています。
おかげさまで、親や奥様には時々
『面倒くさい奴』
という称号をいただいております。
平常時は防災アイテム見るのは趣味のようなものですが、いざ報道で災害に関してみると、
『やっぱり自然を侮ってはいかん』
となります。
車のガソリンは半分以下にしない
ガソリンだけではなく、今は電気自動車もですが、できるだけ燃料はあった方が良いと思います。
生活圏内で移動ができる状況であれば、買い出しや、ケガ人の搬送などすることがあります。
いざという時に徒歩や自転車だけでは、行動範囲や運搬量がしれてしまいます。
また、避難所生活は肉体的にも精神的にも疲弊します。
プライベート空間を確保できるかどうかで、かなり違いが出ると思います。
さらに、真冬や真夏にわずかでも冷暖房が使えると、子供さんがいる場合には特にありがたい物になります。
寝かせつける間だけでも快適にしてあげると、かなり寝やすくなると思います。
水や日持ちする食べ物を少しは買っておく
これは当然ですね。
実際にどこかで災害があると、買わなくてはとなりスーパーなどで物がなくなりますが、普段から適度にあれば慌てることはありません。
かといって、賞味期限もあるので完璧にはなかなか揃えられませんが、普段食べられそうなものを少しだけ余分に買っておくといざという時助かると思います。
リスクがある時は必要時以外は外出しない
どうしても動かないといけない時もありますが、できるだけリスクのある時は外出を控えましょう。
以前豪雨があった時、スタッフの子が帰宅する時に、危ないといけないので、車で後についていきました。
帰宅までは良かったのですが、その帰り道に道路が冠水し、車のタイヤ半分ぐらい水につかりながら帰ることがありました。
何とか、家にたどり着けたのですが、前を走る車がどんどん動けなくなり道路は閉鎖してしまいました。
誘導してくれる人がいたのでわき道を抜け助かりましたが、5分前に走っていたら終わっていました。
いざという時は数分の違いで状況が変わってしまいます。
不要不急の外出は控えてください。
部屋の高いところには割れるもの重いものはできるだけ置かない
体験にも書きましたが、本当に色々なものが降ってきます。
家具などが支えて合っても、その上のものや中身が降ってきます。
全てを撤去は難しいですが、できるだけ重たいもの、割れるものは低いところに置いておきましょう。
特に廊下や階段が通れなくなると脱出できません。
履物を準備するか、置かないようにするかの対策をしておくと無難だと思います。
家族に迷惑がられても、『経験しないと怖さはわからん』をモットーに口うるさい
こちらは我が家あるあるですが、ご家庭でも機会をみつけ防災について話し合うことをおすすめします。
話す時はやんわりと出来ることから少しずつ取り組みましょう。
家庭内で温度差があると、厄介者扱いになります。
ある程度の家庭事情は家族に話しておく
これは、万が一の備えでは忘れがちだと思うのですが、家計の主になる方は出来るだけ口座などの情報をご家族に説明しておくと良いかと思います。
いずれはすべてわかると思うのですが、もしもあなたに万一のことがあった場合、残された方は悲しんでいるだけではなく、生きていかなければなりません。
特に子供さんがいる場合には、残された方は養っていかなくてはなりません。
この様な状況で、家庭の資産が全く分からないと、いきなり生活が困ってしまいます。
特に通帳などが残らない、ネット口座や投資口座などが主になっていると、しばらくの間生活に困ってしまうことがあります。
ただでさえ、悲しみの中で気力が出ない時に、わからないことだらけでは余計に不安になってしまいます。
いざという時のために、当座の資金に困らないような対策をご家庭で話し合われることをおすすめします。
多少の現金は持っておく(すべてキャッシュレスにしない)
最近はキャッシュレスが進み現金を持たない方もおられますが、多少の現金は残しておくことをおすすめします。
キャッシュレスの方法次第では、スマホの電源が切れてしまい使えなかったり、倒壊、水没でカードが探せなかったり、使用したい店舗で電源喪失していて現金しか使えない場合もあります。
いざという時の場合、現金の方が残る確率も、使用できる確率も高くなると思います。
燃えてなくならない限り、濡れても破れてもお金はお金です。
覚えておける範囲で分散確保しておくのもお勧めします。
防災は地域に応じて優先度を考えても良いかと思います。
ネットで探していると本当に多くの防災グッズを売っていますね。
つい
『これ欲しいかも!』
と思ってしまいますが、そんなわけにもいけません。
かといって何十点ひとまとめ防災グッズがいるかと言えば、我が家では恐らくいりません。
『防災グッズは考え抜かれたベストアイテムじゃないの?』
と思われる方もいると思いますが、個人的にはいりません。
理由は家が倒壊する前提と水害も前提に入っていないので、脱出は考えていません。
安易な発想のようですが、立地と防災マップ、断層の有無、川からの距離と高さを考えると、優先順位が変わってくるからです。
絶対はありませんが、残念ながらすべてを揃えるのはとても無理だからです。
また、体験の中にも書きましたが、いざ何かが起こると動揺するし、状況次第では大きな荷物を運び出すことが困難な場合もあります。
そこで、選択と集中はあった方が、実際の状況下では助かると思います。
あくまで個々の判断で十分な備えはして頂きたいですが、私的におすすめをご紹介します。
限られた範囲内での土砂災害や水害の可能性がある場合
食料の備蓄は大切ですが、一刻を争う場合に重量の大きな食料を大量に持ち出すのは難しいかと思います。
今迫りつつある状況を一刻も早く逃げ出すためには、必要最低限かつあまり重たくないものを逃げやすい場所に用意するのをおすすめします。
さらに、持ち出せないものを沢山そろえるなら、最小限のものを詰めたものを複数個用意し、違う場所に置いておくと良いかと思います。
これらの状況だと、避難所へ行かれる方が多いと思います。
限定エリアの場合は、行政サービスが受けやすいと思うので、個人的に合った方が良いものを考えて持ち出すと良いのではないでしょうか。
直接被害はなさそうだが、インフラは機能しない可能性がある場合
基本セットに含まれやすい保温シートや眠るためのエアマット、普段使用で予備のある軍手やる軍手やアイマスク、スリッパやガムテープ、持ち出しに便利な飲料水はセットで買う必要はないかもしれません。
家が無事な場合に使わないものが入っているものを買うより、個別に必要なものを多めに準備されたら良いかと思います。
避難所へ行くのと比べて、すぐに困るのがトイレです。
以前、経験したことですが、
お正月のそれも1月1日に停電になったことがありました。
運悪く雪も降る日でした。
原因もわからず配電盤をいじくっていると、どんどん寒くなります。
ロウソクを灯しながらあたふたしていると、どんどん寒気がしてきます。
余りの寒さに、当然のごとくトイレに行きたくなります。
気分爽快、水を流しました。
勢いよく流れはしたものの、その後水が溜まる気配はなし。
考えの及ばないわたしは全く思いもしませんでしたが、電源止まると水も溜めてくれません。
つまり、2回目からは困ってしまうのです。
冗談のようですが、衛生・感染症対策にトイレの準備はとても大切です。
簡易でも売り物でも良いので、トイレアイテムは多めに準備しましょう。
在宅避難の場合は、避難所での配給を受けるのが困難な場合があるようです。
配給がない場合は自力での食糧確保が大切です。
持ち運びの必要がないので、十分な確保をしておきましょう。
意識が向いた時は準備できるのですが、
『以前準備したが、すべて消費期限が切れてる』
という話をよく耳にします。
普段消費できそうなものか、消費期限の長い物が良いと思います。
備蓄する食料の種類を考えてみましょう
普段いかなる状況でも食欲は落ちないという方は大丈夫ですが、食の細い方は備蓄する食料の種類を考えてみましょう。
よく聞く話ですが、実際に被災されるとストレスであまり食べることができないと言われます。
非常食をみていると、活動量が増えるため高カロリーのものが多いです。
また、備蓄用として缶詰を用意されている方もみえると思います。
一週間お粥しか食べられなかったという話も聞きます。
なってみないとわかりにくいですが、目安の例として、
真夏の暑い日に一日中、外遊びをしたり、家庭菜園などした後に夕ご飯に何を食べたくなりますか?
肉!という方はハイカロリーな非常食でもよいかもしれません。
しかし、そうめんぐらいが良いと思われるなら、あまりハイカロリーなものは食べられないかもしれません。
また、普段シリアルやサラダで済ます方もあまりハイカロリーなものは無理かもしれません。
貧しさから学んだ備蓄食料
『そんなの食べたくない』
と思われるかもしれませんが、意外と便利で栄養の取れるもののご紹介です。
それはズバリ
です。
わたしが若い頃、修行中とても貧しい時期がありました。
賄いはあったもものコメはあれどおかずはあまりなく、満腹感とは皆無でした。
古い蓋の壊れたガス炊飯器のご飯はいつもパサパサでした。
汁物を買うことは出来ず、みなでお金を出し合いだしの素を買って
『市販の吸い物と同じ味がする』
と感動するぐらいお金がありませんでした。
そんな状態で重宝したのが
だったのです。
袋の裏を見ながら、
『卵が入っているから栄養満点!酢も入っているから体に良いかも!塩入っているから倒れないんじゃない!』
と天からの贈り物のような捉え方をしていました。(そんなに昔ではなく齢ではないですよ!)
マヨネーズをおすすめする理由の一つは、上にも書きましたがいざという時ご飯しかのどを通らないかもしれないからです。
そんな時、量を調節しながら味付けできるからと、少しでも栄養が取れるからです。
普段食べていないと抵抗のある方もいるかもしれませんが、非常時に備えて
『卵かけご飯』
だと思って試食してみてはいかがですか。
ただし、電源喪失の場合は、傷むので気をつけてくださいね。
焼肉のたれも意外といけますが、味は濃いです。
備蓄品はとりあえず必要最低限そろえてから充実させましょう
そろえだすと一気にそろえたくなるかもしれません。
しかし、探せば探すほど便利で使いやすいものがでてきます。
あまり初めから全力でそろえるとその内家中備蓄品になってしまいます。
必要最低限そろえたら、情報を仕入れつつ落ち着いて買い足していきましょう。
防災用品はあれば安心ですが、高額なものもあります。
初めに頑張ってしまうと、後から必要なものが買えなくなってしまいます。
あくまで参考程度で必要に応じて備えを蓄えておいてください
定番の必要品は決まってくると思いますが、災害状況、立地、家族構成によって必要なものが変わってくると思います。
上に書いたものは、経験を踏まえてあると便利そうなものを上げましたが、これだけでは勿論足りません。
防災用品はあなたと大切な人を守る命綱です。
よく考えて備蓄してくださいね。
防災用品が家にあるだけで、精神的なゆとりを感じることができます。
テレビ報道などで不安を感じられる方は、是非ともこの機会に準備してはいかがでしょうか。
こちらではさらに突っ込んだ防災に備えてあったら良いものをおすすめしています。
『これ忘れてた』
というものがきっと見つかります。
是非ご覧ください。
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